かつては苦楽を共にした銘柄で、最近もその動向が気になっていたウエストHDですが、本日9時に業績予想の修正を発表しました。売上高は15%下方修正したものの、当期純利益は11.1%の上方修正となりました。
出典:当社リリース資料
当社によれば、電力事業では電力使用量の減少によって売上高が減少する一方で、再生可能エネルギー事業ではメガソーラー建設、販売が好調で、さらには当期から開始したセカンダリー事業も業績に寄与したようです。
これだけ売上高が予想に対して未達で、前期実績すら下回ったにもかかわらず、営業利益以下の利益が上振れたのには、セグメント毎の利益率の差によるところが大きいためです。
2020年8月期第3四半期のセグメント情報によれば、再生可能エネルギー事業のセグメント利益率が10.3%であるのに対して、電力事業のセグメント利益率5.4%に過ぎません。
出典:当社2020年8月期第3四半期決算短信
それでも前期第3四半期の電力事業におけるセグメント利益率は4.3%でしたので、採算性はいくらか改善されています。
ここ数年、売上高の増加に大きく寄与してきた電力事業は頭打ちになっている一方、再生可能エネルギー事業は四半期毎の推移は凸凹していますが、それでも第4四半期にやや偏重している傾向があります。ここが伸びてくると利益の拡大することが期待できます。
今朝のリリースを受けて、本日の株価は+3.24%と、マーケットはポジティブに反応しました。
決算発表は10月15日に予定されていますので、当期の数字はこれでほぼ確定だと思います。問題は来期の業績予想がどのようになるかですが、引き続き再生可能エネルギー事業が伸びてくれて、全体では売上高はさほど伸びなくても利益がしっかり伸びてくれれば、買っていきたい銘柄だと思います。
なお、この記事はあくまで僕の個人的な見解を示したものなので、投資判断はくれぐれも自己責任でお願いします。